ヴィクトリア朝TIPS:ロンドン

・市場向けの作物を栽培している農園が見え、いよいよ都会が近くなったと感じられる。道に沿ってジャガイモ畑が点々と並び、カブ畑やキャベツ畑、玉葱畑が間を埋めるように広がっている。
・どこもかしこも霧。川上の霧は、青々とした草原を漂う。川下の霧は、塵埃にまみれながら、何艘にも並ぶ船舶の間と、巨大(かつ汚れた)都市の水辺に広がる汚染地域に行き渡る。彼ら自身もまた霧に包まれ、さながら気球に乗って真っ白な雲の中に浮かんでいるようだった。
・鼻に付く匂いの元は、質の悪い煙草、腐りかけの野菜、漏れ出たガス、猫の死骸、古くなった魚、怪しげなマトンパイ、そして汚い、だらしない、構わないといった人間の集まりである。これらすべてが相まって、ロンドンの夜はゾッとするほど恐ろしく、げんなりとした気持ちにさせられるのだ。
・民家25軒につき1軒の割合でパブがあった。
・ロンドンの町角には、コーヒー屋台、ティーの屋台、焼きジャガイモ売りなど、多くの飲食店が出ていた。
・テムズ川の干し草運搬船。月夜、干し草の山の上で眠っている労働者。
・イーストエンド:ナイチンゲールによれば、「人口密度が最も高く不潔な地区」であり、「空気汚染をもたらす工場」「公害地区」。貧民地域、社会の暗黒面、犯罪と暴力の温床。しかし多くの人たちは犯罪者でも暴力魔でもない、ごく普通の、ささやかな労働でやっと暮らしている人たちだ。
・シティ:ここは終始一貫して商売人の町であった。全世界を相手に商業交易する人々「精力的な金儲けの生活」の舞台である。
・ウェストミンスター:政治、宗教、学問、社交界の中心だった。
・ウエストエンド:高級住宅地、上流有閑階級の暮らす地域と言われている。宮殿や政府官庁が並ぶ。
・ハイドパーク:宮殿の庭だったのが市民に解放された。
・中流階級の主食は羊肉、よく調理された野菜、それにポテトである。チーズやベーコンは下層階級の人々が好む食べ物だった
・ブラッド・プディング。プディングというのは、あまり暮らし向きのよくない人々から見れば合理的で経済的な、栄養価の高い食品だった。
・1880年には1986紙の新聞が発行されていた。毎月の合計部数は1億3500万部。
・上西貞一に柔術を習ったイージス・ガラハットという女性武術家がいた。パンチ1910年7月6日号「柔術の心得がある婦人参政権運動家」より。
・「フランス病」イギリス人が梅毒のことをこう呼んだ。
・ハシゴを登り降りしながらガス灯をつける職業「点灯夫」。
・ミンストレル:黒人に扮した白人が演じるバラエティ・ショー。
・教区記録簿:結婚、出産、死亡の記録。

 

 

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