ヴィクトリア朝イギリスを舞台にした小説まとめ その3

●ホラー

首吊少女亭
北原 尚彦 (著) 角川ホラー文庫 2010
英国留学中に、ネス湖へのツアーを申し込んだ女子大生の私。だが、参加者は日本人の私ひとり。ガイドが運転する車でネス湖へ向かうと、道路沿いに小さなパブが建っている。看板には「The Hanging Girl」と奇妙な名前がついている。ヴィクトリア朝時代に起きた少女の首吊り自殺に由来があるというが…。―表題作「首吊少女亭」19世紀末、帝都ロンドンを舞台に、怪奇と幻想で織りなされる珠玉のヴィクトリアン・ホラー。
#ヴィクトリア朝の有名怪事件集。

吸血鬼ドラキュラ
ブラム ストーカー (著), 平井 呈一 (翻訳) 創元推理文庫 1971
中世ヨーロッパの伝説から忽然としてよみがえった恐るべき吸血鬼の跳梁か? ヨーロッパの辺境トランシルヴァニアに、無気味な謎に包まれて住む城主ドラキュラ伯爵の秘密。昼は眠り、夜は目覚め、永遠の生命とともに人血を求めてさまよう呪われた吸血鬼の宿命。現代の恐怖と怪奇を描いて百万読者の心胆を寒からしめる、名作怪異譚!
#原作のドラキュラはなかなかの苦労人です。

フランケンシュタイン
メアリー シェリー (著), 芹澤 恵 (翻訳) 新潮文庫 2014
若き科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、生命の起源に迫る研究に打ち込んでいた。ある時、ついに彼は生命の創造という神をも恐れぬ行いに手を染める。だが、創り上げた“怪物”はあまりに恐ろしい容貌をしていた。故郷へ逃亡した彼は、醜さゆえの孤独にあえぎ、彼を憎んだ“怪物”に追い詰められることになろうとは知る由もなかった―。天才女性作家が遺した伝説の名著。
#最後の舞台は南極なのでクトゥルフ的な夢が広がります。

ジキルとハイド
ロバート・L. スティーヴンソン (著), 新潮文庫 2015
ロンドンの高名な紳士、ジキル博士の家にある時からハイドという男が出入りしていた。彼は肌の青白い小男で不愉快な笑みをたたえ、人にかつてない嫌悪、さらには恐怖を抱かせるうえ、ついに殺人事件まで起こしてしまう。しかし、実はジキルが薬物によって邪悪なハイドへと姿を変えていたのだった……。
#二重人格ネタの嚆矢となった作品。

●SF

犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
コニー・ウィリス (著), 大森 望 (翻訳) 2004
謎の花瓶を求めて、21世紀と19世紀のあいだを行ったり来たり、タイムトラベルで歴史を縦横に駆けめぐる史学生ネッドとヴェリティの活躍をユーモアたっぷりに描く冒険譚。
#イギリスっぽいユーモアと言葉のかけあいが好きな貴方に。

透明人間
H.G. ウエルズ (著) 偕成社文庫 1992
ロンドン郊外のある村に頭に包帯を巻いた奇怪な男が現れた。この男が包帯をとり服を脱ぐと姿が消えてしまった。一体この男の正体は? 誰もが一度は夢みたであろう「透明人間」願望を科学の力で実現した人間を描いたSFの古典。
#突然探索者に襲いかかりたい貴方に。

宇宙戦争
H.G. ウェルズ (著), 中村 融 (翻訳) 創元SF文庫 2005
謎を秘めて妖しく輝く火星に、ガス状の大爆発が観測された。これこそ6年後に地球を震撼させる大事件の前触れだった。ある晩、人々は夜空を切り裂く流星を目撃する。だがそれは単なる流星ではなかった。巨大な穴を穿って落下した物体から現れたのは、V字形にえぐれた口と巨大なふたつの目、不気味な触手をもつ奇怪な生物―想像を絶する火星人の地球侵略がはじまったのだ。
#ロンドンの街を粉々に破壊したい貴方に。

失われた世界
コナン・ドイル (著), 龍口 直太郎 (翻訳) 創元SF文庫 1970
二十世紀のはじめ、イギリス動物学会の名物男で、古生物学者のチャレンジャー教授は、奇妙なものを手にいれた。それはアマゾン川流域で死んだアメリカ人の遺品だったスケッチブックで、そこには、二十世紀には生存しないはずの、数々のふしぎな動物が…。「南米の奥地にはいまなお、恐竜などの絶滅したとされる生きものが棲息している秘境がある!」というチャレンジャー教授の主張をたしかめるために、アマゾンの密林にふみこんだ探検隊。チャレンジャー教授を先頭に、学会での敵サマリー教授、新聞記者エドワード=マローン、世界的な冒険家ジョン=ロクストン卿ら四人の行く手に待ちうけていたのは、想像を絶した世界だった。
#もし南米から怪物を連れくる科学者がいたら……?

 

 

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