ヴィクトリア朝TIPS:不思議の国のアリス

・チャールズ・ラドウィッジ・ドジスン:オックスフォード大学クライストチャーチの数学教師。牧師の家庭で自身も聖職者。すらっとした痩せ型で姿勢がいい。散歩好きで大またで街を歩く。吃音に悩まされた。アリス(当時11歳)に結婚を申し込んだが、母親に断られた。 ・子供の中に純真さや無垢を見るヴィクトリア朝の美意識。「写真にとられた子供も時間と言う束縛から逃れて、悠然とした永遠の世界に固定されるのです」 ・ヘンリー・ジョージ・リデル:クライストチャーチ学寮長。「オックスフォード大学の中であらゆる芸術について彼ほど造詣の深い人はいない」ジョン・ラスキン。『ギリシア語・英語辞書』を編纂した学者 ・長男:エドワード・ハリー、長女:ロリーナ・シャーロッテ(通称イーナ)、次女:アリス・プレザンス、三女イーディス・メアリー ・ジャバーウォッキーの詩:「誰かが何かを殺...
Read More

ヴィクトリア朝TIPS:精神病院

・「夜は熟睡できない。すぐに目が覚めてしまう。理由は幾つもあるのだが、まず何よりも睡眠の妨げとなるのは、虱や蚤などの害虫の恐怖だ。病棟にはこれらの害虫類が、それこそ一日じゅう元気いっぱいに飛びまわっているのである。この新しい監房に入った最初の夜、私は寝入る間もなく、がさがさという奇怪な音に悩まされた。ゴキブリが何匹も這い回っているのだと、すぐに気づいた。そのうち一匹は、顔のすぐ脇をすばしこく駆け抜けていったりした。無理も無い。私のベッドは、床からほんの10センチかそこらの高さしかないのだから」 ・精神病患者の暗い監房:悲哀に満ちた声を一晩中あげ続けている。彼らはもはや、監房の壁に向かって一人でブツブツ呟く以外、何もできなくなっているのである。皇太子や国王について、いつまでも長々と喋り続けている。頭の中では監房が大演習場らしく「前身、右向け、右!」と...
Read More

ヴィクトリア朝TIPS:トッシャー(どぶさらい)

・下水口の奥深くで、どぶをさらって、コインや宝石、ナイフやフォーク、石炭、古い金属の塊などを探して歩いた。長さ2メートルで、先にクワの着いた棒を扱う。エプロンとズボン。翁ポケットの付いた、あぶらじみた長いコート。背中に袋を背負い、胸にはランプをぶら下げている。 ・いちばんの脅威は、ドブネズミだった。特に攻撃的と言われる連中だ。 ・数多くのコインが見つかるので、1日6シリング、平均的な事務員よりも多い実入りだった。 ・1858年の夏に"ロンドン大悪臭"が発生し、煉瓦造りのトンネルと下水口1,700キロ以上が建設された。 ・汚水の中に含まれているのは、ありとあらゆるものだった。工場から出た薬物や毒物、犬猫やネズミの死骸、屠殺場で解体された臓物、舗装道路の欠片、野菜屑、馬糞、屎尿、灰、ボロ布、割れた陶器の欠片、煉瓦、木片・・・   ...
Read More

ヴィクトリア朝TIPS:救貧院

・救貧員は、働くことのできない貧窮者に住む場所を与えた。男女は別々の等で生活し、教区の負担で食事と寝床が提供された。 ・救貧院の子どもたちは殺されてパイの材料にされ、死んだ老人たちの身体は、棺桶代を節約するために畑の肥料として使われているという風説が流れた。 ・貧民の遺体は救貧員に運ばれ、解剖学の授業で使うことができるようになった。 ・その外観は、なるべく陰鬱で近寄りがたく見えるように作られていた。 ・大勢に押しかけられるとこまるので、作業場をできるだけ悲惨で辛いものにして、できたらそこの世話にならずに済ませたいと思わせること。食事は当時の囚人が与えられていた物より量が少なかった。 ・古いタールの染みこんだロープを小槌で叩き、ほぐし、より糸をつくる。これが造船所に送られる。また、道路造りの素材にするため、硬い岩の塊をハンマーで崩し、砂利にす...
Read More